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※メニューのPICTより、<ビーデル>の続きです。


「やっぱりね、怒らなかったでしょ?」

ダンっ ダンっ

バスケットボールの音が、地面に叩きつけられてそこここで鳴り響く。

「な、なにがよ・・」

話し掛けてきたのはイレーザで、ドキッとしながらビーデルは返事を返した。

「それ。悟飯くんのジャージでしょ?ちゃんと借りれたんじゃない。」

「!!う、うん・・」

『借りちゃった♪』――――と。さっきはそう本人にさらりとして言ってのけた――――が。

本当は、上着を忘れた自分が悪いのだから、と借りるつもりなどサラサラなかった。
だから、こんな風に図々しく言うつもりはなかったのだけ、ど。

『ナニ言ってんのよ!大丈夫よ、悟飯くん優しいし、それにあんた彼女じゃない。』

『そ、それはその・・・・そうだけど。』

『ほら!だったら借りちゃえ借りちゃえ!こっちから押せば悟飯くんは何でも許してくれるわよ!』

なんでも、は無いけど。。と細かい突込みをしたくなったが、話が長くなりそうだったので、
そのまま押し切られて借りてしまうことにしたのだ。


――――で。今。


自分を見つけたイレーザが、タタタッと寄って来てそんな事を言ったのだ。


「これさ、借りれたのは言わばあたしのおかげよね?」

「えぇっ!?」

「ナニよ、違うの?」

グ、と追い詰められる。

ち、ちがくはないけどぉ・・・・

「借りたのは私よ?」

「背中を押したのはあたしでしょ。んもう、いいから一つあたしのいう事を聞きなさい!」

ピー!!

そこまで無理やり話を持っていかれると、集合の合図の笛が鳴った。

ええ、ええっ?何を聞かなきゃいけないわけっ!?

「あ、やばっ集合!あのさ、後で教えて悟飯くんの・・・・を!」

「!!!!!!」

なんで!

「結構女子で想像の的になってンのよね〜。どうなのかとかさ・・・じゃ、よろしくね♪」

「えっええっ・・・ち、ちょっと待ちなさい、イレーザー!!!!!」

たった一回、それもジャージ貸してもらうの手伝ってもらっただけなのに!!!!


タタタッと追いかければ、すれ違う瞬間悟飯と目があって。


・・・おっ・・教えるなんて・・・・・

「いや――――!!!!!!!!!」

目を無理やりそらされながら、「いや」、と叫ばれた事を気にした悟飯が傷ついた事を知るよしも無く、
ビーデルは下校するまでイレーザから逃げる羽目になるのだった。


その後。


「ビーデルさん。」

「えっ・・・な、なに!?」

まさかイレーザに悟飯との・・・・を教えろ何て言われているとは露知らず。

「僕の何が嫌なんですか・・?」

悟飯の真剣な問い詰めに、ビーデルは再び窮地に立たされて。

「あっ!ち、違うの!悟飯くんが嫌なんじゃなくて、えっとあの・・・・・・・・」

悟飯からの問い詰めにはビーデルも逃げられるはずも、無く。

「ふーん・・・・それで、教えなかったんですか?」

「な!ナニ言ってるのよ!教えられるはずないでしょう!!」

じりじりと詰め寄る、悟飯に――――

「教えられないこと・・・してるつもりはないですよ。」

「!!!」

「ジャージも貸したし。僕に貸し1ですよね?」

「・・・!!!!!!!!!!!」

いいきっかけを与えてしまったのは、言うまでも、ない・・・・・


「もう絶対悟飯くんから物を借りないわ!!!!!」


ビーデルの絶叫が響くのは、それからあと1時間もしてからなのだった。






*オワリ*

・・ナニをしたかは想像通りで。読んで下さいまして、ありがとうございました><;!