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【mother's feeling】


「不思議だね・・」

ぽすん。

ベッドに二人でまどろんでいた日曜日、不意に悟飯がそう言った。

「・・なにが?」

唐突に言った言葉に思い当たる事がなくて、首を傾げながら返事をする。

「だってさ」

ギシ・・

柔らかなヘッドの部分を腰当にして座っていた悟飯が、そっと位置を変えると、自分の目の前へとやってきて。

「きゃ・・・」

そっと、包みこむように自分の身体をぎゅ、っと抱きしめる。

「この、中に。僕ときみの赤ちゃんがいるなんて。」

・・・とくん。

その言葉から流れ出てきた、優しくて愛しい悟飯の気持ち。

嬉しくて、でも少しくすぐったくて。

「・・うん。不思議ね・・・・」

胸元にある悟飯の頭をそっと、引き寄せながらそう言った。

「もっと大事にするから・・ビーデルも、生まれてくる子も。」

悟飯の柔らかな声に込められた決意。

「・・ありがとう。」

ビーデルは、全ての気持ちをこの言葉に込めて、嬉しそうに小さく囁いたのだった。


――わたしも、あなたとこの子を全力で守るから。


母親になる静かな感覚。

愛する相手がいてくれるからこそ――――・・・。




(fin〜mother's feeling〜)





<オマケ>


「悟飯くんはどっちがいい?男の子と女の子?」

「うーん・・・僕は断然、女の子かな。ビーデルに似て、きっと可愛いよ。」

「あら。じゃあ、わたしはその内お払い箱ね。」

「そんな!!!」

「きゃ!」

「・・あ。あ、ごめん。そんな、そんなことないよ。僕はいつだってきみしか要らない。
ビーデルの代わりなんて誰も出来ないんだから」

「わ、わかったわよ!もう・・・恥かしい事平気で言えちゃうんだから・・・」

「ビーデルのためなら恥かしい事なんて何もないよ。・・わかってる?」

「・・・う・・・わかりました・・」

「それならよろしい。じゃあ・・もう少し、寝よう。まだ早いし、それにまだ、君を抱いていたいんだ・・」

「・・うん・・わたしも・・」

「・・キスしても?」

「うん・・・」



二人でまどろむベッドの中


ビーデルの口唇の上の後に、小さな宇宙で息づく3人目にも悟飯は小さくキスをして。


「愛してるからね・・・ちゃんと、きみの事も。」


そのまま、再び眠りについた・・。



(オワリ)