[あなたに逢えた幸せ。]




「久美子。」


「ん?」


「・・・・久美子。」


「・・・ん?」


「くーみーこー。」


「・・なんだよっ?」


自分の呼びかけに、パッと顔を赤らめながら、見上げる久美子の顔。


自分の、呼びかけに。


「ふっ・・・」


なんでだろう。


それが、たまらなく嬉しくて、自然と笑みがこぼれてしまう。


彼女が、自分のそばにいる実感。


自分を、認めてくれている実感。


それが、名前を呼べる、という行動に全て含まれている気がして。


・・・・嬉しくて、しょうがない。


「・・・慎?」


ス、と久美子の綺麗な指先が自分の頬を伝って、額に押し付けられる。


こうして、心配されるのも、自分だけの特権で。


柔らかな指先を感じられるのも、自分が特別だからで。


何もかもが、嬉しい。


「・・どした?」


ふわっと、久美子の表情が笑みを浮かべて、問い掛ける。


その瞬間、ここは自分の部屋じゃないように思える。


ここは、天国じゃないけど。


ここは、楽園でもないけど。


「好きだよ、久美子・・」


彼女に逢えた幸せを、ずっと傍で・・感じていたい。


「・・・バカ。あたしもだよ・・。」


触れ合う、唇。


甘い、砂糖菓子のような口付を何度も繰返して。


ずっと、久美子を一晩中、胸に抱き続ける。


幸せを、感じながら。




たまには、こんな夜のあり方も、いいんじゃないだろうか。




「おやすみ・・・・・」


「・・・お休み。」



お休みと言い合える、幸せ。



なんか・・俺、バカになったのかな・・・・・・・



そう感じながら眠りつく、夏も過ぎ行く心地よい夜。




天国じゃなくても・・



楽園じゃなくても・・



あなたに逢えた幸せ、感じて・・・・・・・







*END*


先にUPした、小説の酷さに落ち込みつつ・・・10分で書きました。元ネタはBOOMの「風になりたい」(かな?)です。いつも姉の着メロで耳にして、するたびに幸せな気分になって。で、今ふとまた聞こえてきて・・ああ、こんな気持ちになったりするかな、と思ってスラスラ書けました。BOOMの曲を一度聞いてもらえると、なんだか幸せだな、って気持ち共感してもらえるかなぁー・・。初めて、自分が書いた作品を好きになれました。ココまで読んでくださって、ありがとうございましたVv 次回も、頑張りますv


(ブラウザバックでお願いですVv)
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