[甘い痕] |
「・・・なぁ。」 「・・・ん・・んー?・・何・・・?」 むにゃ、と眠い目を擦りながらそっと目を開ければ、憮然とした慎の顔。 ・・・・・へ? なんで? 思い当たる節はない。だって、さっき意識が深みに落ちるまで――――充分に、愛し合っていたのに。 ・・・なんで、こんな顔してんだぁ? キョト、と首を傾げながら、どうしたの、とその先を促してみるけれど。 「・・・・・。」 さっきの呼び声から、黙ったままで。 ・・・・はぇ? ますます、わからない。 「・・・・なんか、して欲しいの?」 キュ、とその触れ合った素肌の胸元に身体を寄り添って聞いてみれば。 「・・・・して欲しい。」 ム、とした、まるで小さな子供のような顔で、そう囁かれた。 「・・・何?」 ・・なんか、可愛い。 その様子に、ふふっと笑みが零れ落ちる。思わず、その頭をいつものように撫でたくなるけれど――― 次に、慎が言った言葉でそれは叶わなく、なった。 「・・つけて。」 「・・へ?」 ポツ、といったその言葉。 「・・なにを?」 「・・・痕。」 「・・・あと?」 トントン、と自分の鎖骨の部分を綺麗な指で指しながら、そう言った。 あと。後。痕・・・・・・・あああああああああとっ!!?? ボン! 一瞬にして、顔が真赤になる。 だって。 だってだってだって〜〜〜〜!!! ・・・不思議なんだけれど。 愛し合ってる時に、そう言われるのはそんなに恥かしくない。 でも。 何もしてない、この状態で――――そう言われるのは。 ・・・・物凄い、恥かしぃ・・・ 「・・・早く、久美子。」 ・・・うぅ・・ キュ、と腰を抱いてその行為を促される。 「・・・な、なんでだよぉ・・・」 ・・・なんで、今言うの・・ せめて、頭の中が溶けている時に言ってくれれば・・・・恥かしさだって、軽く、なるのに・・ 「・・お前、全然つけてくれねぇじゃん・・・俺だって欲しいんだよ、お前のモンだって印・・」 「・・・!!!!」 目を伏せながら言えば、さらに、真赤になるその一言が、振ってきて。 「・・・や・・・」 「ヤダ、なんて言わねぇよな?」 ・・・・・っ!! 逃げ道も、ふさがれる。 パ、と伏せた目を上にあげてその顔を見れば――・・さっきのムッとした顔とは、裏腹に。 ・・・こ、この・・・!!! いつもの意地悪で、甘い笑顔が、そこにあって。 「・・・・な。もっと、お前のこと欲しい・・・」 「・・・・・っ・・・!」 なんて、耳元で呟かれたら―――― ・・・・・付けない、なんて言えないじゃないかっ・・・! 生徒で。 年下で。 確信犯で―――――― ・・・エッチで。 でも、一番、好きな、人。 「・・・・・特別、なんだからな・・・っ!」 「・・・・そりゃそうだろ。」 「・・・お前にしか付けないんだぞっ!」 「・・・他の奴につけたら許さねぇよ。」 「・・・あたしの、モンなんだからなっ・・・ずっと!」 「・・当然。」 ・・・・!! 悔し紛れに恥かし紛れに言った言葉全てに完璧な返事を返されて。 「・・・ばかぁ・・」 ・・そう呟きながら、ポスっと鎖骨に近い胸元に、唇を這わせていく。 「ふふ・・・・・」 自分の髪を撫でてくれる慎の指先に鼓動が弾けそうになりながら――――・・ チュ・・・・ 唇を、鎖骨に這わせてカプリと噛む様に吸い上げれば。 「・・もっと強く・・・」 「ん・・・」 慎の逆らえないほど甘い声が、上から何度も、降り注いで、来たのだった・・・・・・・ ――ベッドの中。 裸でじゃれあう、至福のとき。 その綺麗な鎖骨に甘い痕をつけた後は――――・・・・・ 「んん・・・・っ・・・」 「・・・もっと、つけて・・・」 今夜何度目かになる、愛の行為が、始まりを、告げる・・・・・・・。 「・・・しよ。」 *END* |
ええっと。。。。。日記に書いていたものに少しだけ手を加えて、UPしてみました(汗) うわうわうわ(汗) お絵掲に素敵イラストを残してくださった、みやさんのイラストから妄想が爆発して書いてしまったものなんですが、イラストに見合わぬ拙いものになってしまいました・・・・・・(汗) こちらでもよければ、この作品をみやさんに捧げたいと思います・・・! み、みやさん!ヘッポコSSSになってしまってゴメンゴ・・・! |