・・・む〜・・・・・・ テクテク。 ・・・・む、む〜〜・・・・・・・ テクテクテク。 ・・・・・んんんんんっ・・・・・ ・・・ピタ。 っもー我慢できない! 「おい!おま、お前どう言うつもりなんだよ!」 日曜日、時は昼間・場所は公園。 さっきから、歩く度に気になっていたそのことに、久美子の我慢の限界も リミットオーバーしてしまった。 彼の、流し目。 それはそれは、いつも授業中で見せるそれよりも、登下校中にコッソリと見る それよりも、二人で会う時はいつも以上に凄いその流し目プレイ。 に。 道行く女の子は、皆もう慎のほうを振り返ってメロメロ状態になってしまっているの だ。 そして、その後必ず付いてくる、自分への嫉妬がこもった痛い視線。 その二つが合わさって、さすがの久美子もムカムカイライラとした気持ちが どうにもこうにも押さえつけられない。 だから、意を決して道のド真ん中でそう言いきったというのに、 「・・・・は?なにが?」 慎の方はてんで何の事やら分かっていない。 それどころか。 「・・おい、お前こそどういうつもり?」 何だか自分が怒られる始末。 ・・・・は?は?? な、なんであたしが怒られてるんだっ・・・・・??? ジリジリと道の真ん中だというのに迫ってくる彼に身の危険を感じて、ハッと見つけた 小さな路地へと身を隠す。 「・・どこいくんだよ。」 当然、慎も一緒に後から付いてきて―――― 「ストップ。」 「うひゃ!」 ドタン! と、追いやられた塀に背中あわせで追い詰められた。 ・・・・なぜあたしが弱い立場にっ!? ぎゅ、と押さえつけてくる慎の表情は心なしか曇った・・・・というよりも怒りを静めようと 無理してる顔。 ・・・・むっ。 そんなら、と自分も負けじとさっきの事を思い出して、ムッとした顔をすれば余計に 押さえつけられて、オデコをゴツンとぶつけられた。 「いい加減にしろ。」 怒られたその言葉に頭の中が?マークで一杯になると、思いもよらないその言葉が 振ってくる。 「・・・お前がキョロキョロするから。他の男がお前に向かって変な目で見てんのがわかんねぇのかよ。」 ・・・・は? いったい、なに? ヘ・・・変な目? 「・・・なにそれ??」 余りにも予想外の言葉だったから、きょとんとした声で返事を返す。 だって 本当に、分からなくて。 だから、正直に返事をしたのに。 「そう言う事言うわけ?あっそ・・・」 更に更に、ムッとして自分と顔の距離を縮めてくる。 う、わ、わ、わ・・・・・・! 「あ、こらばかっ!そんな近づく・・・・っ!」 3 2 1 ・・・チュ。 「・・・っ・・・ん!」 ・・・クチュ。 「・・・・・・・・んむっ!!??」 ・・・・っぷは。 「・・な、な、な〜〜〜っ!!!」 「・・こういうこと、他の男にさせたいって思わせるような目線、止めろ。」 ・・・・今何をっ・・いや何がっ・・・ってえええ??? あたしが、他の人に流し目???? 「そんなことしてな・・・・・・!」 「してる。一体どこ見てんだよ・・・ったく・・」 どこってどこって!お前の事だけしか見てないだろ! ・・・・そんな事言うなら。 「おま、おま、お前だって!他の女の子に流し目してるくせに!」 ぎゅ、と押し付けられた体制で、とうとう言ってしまった爆弾発言。 「・・・はぁ!?なんだよ、それ。俺はお前しか見てねぇし、お前以外目に入ってねぇよ。」 ぐ、と再び力が入る慎の体。 ・・・ひぇっ・・・ 今この体勢で言うなんて、ちょっとまずったかな、とか・・・・ 思ったのも時既に遅し、で。 「ふぅん・・・嫉妬、してるんだ?」 「ばっ・・ち、ちがっ!」 あわせてくる、その視線。 ・・・わ、わ、分かっててやってるだろ〜〜っ・・・! 「違うわけ?」 「ぅ・・・・・!」 何も言えなくなる、彼の強力なその武器に。 「じゃ、お仕置き。」 「・・・っあ、や。ちょっ・・・・・む〜〜!」 再び、振ってくるその唇に――――最初のムカツキはどこへやら。 「・・・はふ・・・っ」 ん・・・も、いいや・・・・っ 「・・部屋、行く?」 「・・・・・ぅん・・・」 ・・コクン。 いつのまにやら慎のペースにはまっていて、久美子は今日もガツンと言ってやる事は、 出来なかったの、でした。 流し目プレイ。 一番効くのは――――― 「・・言ったろ?お前しか見て無いって。」 「・・・う・・・・バカ・・・っ」 彼女、かも? *オワリ* |
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あとむちゃんとお話しした時に、つい盛上ってその日の内に書いたおバカな作品です(笑)。 あとむちゃんにはええいと押し付けてしまいアハハ・・・す、すみませんですた! 久々に楽しく書けた作品でした〜!あとむちゃん、萌えをどうもありがとう!そしてもらって下さいまして本当にありがとう〜〜! |