【夢の続き】 |
「いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 油屋の中に少女の声がこだまする。その少女の名前は―― 「千尋!!どうしたんだ!!!」 「こっちこないでぇぇぇ!!!!!」 声にドップラー現象をかけながら千尋はある人物から逃げ惑っていた。 「千尋!!」 ダダダダダダダ!!! 掛けていく千尋を湯屋の従業員とお客が「やれどうした」といわんばかりに見つめ、その後をわけがわからないまま追いかけていくハクを見ると皆いっせいに目を点にして―― 「ハク様はどうされたんだ・・・」 とばかりにため息をつくのみであった。 「千尋!千尋待ちなさい!!」 ダダダダダダ!! 追いかけっこはまだまだ続く。 「やだ!!私、ハクにそんな趣味があるなんて知らなかった――!!」 趣味?その言葉をハクは疑問に感じながらも、とりあえず千尋を追いかける。 「なんだい、何の騒ぎだい!!!」 暫くその様子を感じていた湯婆婆がとうとう二人の前に顔をあらわすと―― 一言、ハクに向かってこう呟いた。 「ハク竜・・・。お前、やはりそっちの趣味が合ったんだね・・・」 「!!??」 「うわぁぁぁん!!!!やっぱりそうだったんだ――!!!!!!」 千尋が声を上げてその場で泣き出した。周りを見ると、他の従業員達も哀れみの目で自分を見ている。 なんだ!?一体何が起こったんだ!!??? 私は・・・・私のどこかがおかしいのか?! ハクはガラスに映った自分の姿を見て、ギョッとした。 「こ、これは・・・!!!」 フリフリギャザーの着いたブラウスに、真っ白なエプロン。そして、青色のスカート。まるで、有名童話"不思議の国のアリス"ならぬ・・・ 「うわぁぁっぁぁぁ!!!!!!!!!!」 「いやぁぁぁ!!!ハク、もう私に近付かないで!!」 「ハク竜・・お前の趣味に口を出す気はないが、そんな格好をされちゃここに置いて置けないね・・首だよ、首。」 「やぁねぇ・・・ハク様ってあんな趣味を持ってたのね・・・」 「おいハク!今後一切千に近付くなよ!!!!!」 周りの声が円になって自分に襲い掛かってくる。 私は・・・・私は・・・・!!!!!!!! 「わああああ!!!!!!」 「きゃぁぁぁ!!!!!!!!ハっハク!!??どうしたの!?」 気がつけば。そこは、いつも見慣れた自分の部屋。 「あ・・・あれ?」 「ハク??今、すっごいうなされていたよ??それに、大きな声上げてたし・・嫌な夢でも、見た?」 横を見ると、腹掛け姿の愛しい想い人がいる。 「あ・・・・・・・今のは・・・・・・」 ぐぃっと額の汗を拭いながら、自分の寝巻きが汗でびっしょりになっているのにも気がついた。 「あーぁ。もう、これじゃ風邪引いちゃう・・・・着替えよう?」 そう言って、千尋は布団から抜け出してパタパタとどこかに着替えを取りに行った。 「はぁ〜〜〜〜っ。ゆ、夢か・・・・・・・」 夢にしては、笑えない。笑えないほどリアリティがありすぎた・・・。果たして、なぜ自分はあのような夢を見たのだろう?あんな服、この世界にはないはずだが。。。。 「お待たせっ!」 千尋が着替えを持って来てくれたようだ。ひとまず考えるのはおいて、先に着替えよう・・ 「ありがとう、ちひ・・・・ろ!!!????そ、その服は!?」 「えへへ〜〜〜。ハク、美人だから、これ似合うと思って持ってきてたんだ〜〜。ね、着てみて?」 目の前に差し出された着替えは夢で見たものとそっくりで。 「いやだぁぁぁ!!!!!!」 「あっ!ハク待ってー!!・・・・逃がさないからっ・・!!!」 これは夢の続きなのか!?そう思いつつ、夢とは逆に追いかけられる立場になってしまったハクなのでした。 (後日談) 「でね、それを見たときのハクったらおかしかったのー!!」 「へぇへぇ・・・いつ聞いてもお前達の話はのろけかよ・・ったく。。」 「むー。だって、おかしかったんだもん!」 「んで?ハクのヤローはそのフリフリの服は着たのか?」 「ううん、結局着てくれなくて・・・・・あ、うんまぁいいや!この話は終り!終りね、リンさん!」 「なんだぁ??さては、その後・・・・」 「キャーキャー!!なんでもないの!!なんでも!!!」 千尋が真っ赤になってりんをバシバシ叩いている様子を遠くで見めている一つの影・・ 「ハク様?」 「ああ、いやなんでもない。では今日の段取りだが・・・」 千尋が、私の女装未遂を楽しそうに話している・・なぜだ!?あ、あの場で必死に抵抗してよかった・・・・・。もし押されて着ていたら・・・・・・・!!! ぞわっ!! 世にも見たくない想像をして、身の毛がよだってしまったハクなのであった。 (完) |
ハク様ギャグ風味に・・・書きたかったんだけど、分けわかんないですね〜(汗) うーん・・・・失敗(爆) ** BACK |