恋人達の夜】

ハクと会ってからもう5年以上たった。・・正確に言うと、ずっと傍にいる時間はまだ数か月だけど・・・。


「どうかした、千尋?」


ちょっとした不安を拭うように、ハクはいつも優しく私に囁いてくれる。風が耳を擽(くすぐ)るように、そっと、温かく・・・。


「ううん。なんでもなーい!」


その返答として、私はにニッコリと笑ってそう言ったけど。やっぱりちょっと顔が引きつっていたみたい。


「・・ふぅ。」


小さくため息をつかれてしまった・・・・。あやや・・どうしよう、ハク、機嫌悪くなっちゃったかな・・・・?せっかく、夜の合間を縫って会っているのに・・・。


ドキ ドキ ドキ ドキ


心拍数はドンドン上がって。


ハラ ハラ ハラ ハラ


体はせわしなくそわそわしちゃって。


「千尋。」


ドッキーン!!!


体が、飛び上がる。


「は・・はい!」


思わず裏返った声に、ハクは少し驚いた後、クスクスとその顔を溶ける様な笑顔に変えて、私へと視線を絡め合わせる。


「ふふ・・・」


そっと、ハクの手が私の頬を撫で上げた。


わ、わ、わ!そんな風に触られたら・・・心臓、爆発しちゃうよ・・・!!


「な・・なぁに、ハク?」


必死に普通に答えようとするけど、どうしても、声が高ぶる。頬がカァっと上気する。


「・・・嘘は、付いちゃだめだよ?」


頬に触れられた手が、そっと自分の唇に触れて・・・・そのまま、形をなぞられて。


「はい・・・・」


目を伏せながらそう答えると、ハクからの数え切れないほどの甘い口付が唇に降り注いで。


「ん。ん。ん・・・・・・・・」


(あ・・・・・)


ふ、と薄めを明けて空を仰ぐと、そこには今にも落ちてきそうなほどの星の数々が目に飛び込んでくる。


(凄い星屑・・・・まるで、今の―――)


自分達がしているキスのよう・・・・・・・


そう思いながら、目の前にいる愛しい人に、その思いを重ねて―――


「・・ん・・・・ハク・・」


「なに・・・・?」


「好き・・・」



――甘い、囁き。それが、合図。



「私も、千尋が好きだ―――」


2人の夜は、これから甘く・・・・・。


「・・・・ん・・・は・・ぁ・・」


(ハク・・・・・大好き・・)



甘くてとろけそうな恋人達のその夜は、星の加護に護られて―――



「んっ・・・!」



その星空が、姿を消すまで彩られていくのであった・・・・・・。


甘甘。結構甘いですね。でも実はこれが本来の私スタイル。甘〜い文大好きなのです。
色々と、反省すべき点があって、以前の勘を取り戻すために。甘く仕上ました。
私の他のHPを知っている人は・・・これが普通だと思うかも・・・・・・(笑) ていうか・・・
健常な小説でいられなくなる可能性、大です(爆) 描写がアダルトな小説が増えて
いってしまったりして・・・・・・(大汗) 恋の甘さ辛さにそれは必須な気がします。
それを思っているのは・・・・・・・・・・・・私だけ?(汗)


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