[ CAN YOU CELEBRATE ? ]
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「おい、やんくみ。」


「ふぇ?」


授業も終り、放課後。いきなり、久美子はいきなり呼び止められた。


「お、どうした?忘れもんか?それとも、あたしの顔でも見に来たかっ?」


ははは、と笑って、軽く言葉を返すと―――


・・・・ん?


いつになく真剣な、慎の顔。


「・・・・ど、どうした?」


「あー・・・・」


真剣な上に、歯切れも悪い。


・・・・なっ・・なんだってんだ?!


「ここ、じゃちょっと・・・・」


言いにくそうに。それはもう非常に言いにくそうに。


あの慎が、ココまで言い難そうにしているところなんて――はっきりいって、
見たことがない。


ドキ。


嫌な、予感が胸を掠める。


ま、まさか・・・・・・。


『元の関係に戻ろう』とか・・・そういう事を言われるんじゃ・・


久美子は自分の想像に固まった表情のまま、再度慎の方を見上げる。と。


参ったな、といった慎の顔が目に入る。しかもちょっと、目を明後日の方向に向けながら。


「・・・っ・・・!!」


これは。どうにもこうにも、自分の勘が珍しく、あっているような。


と、いうことは――・・・・


やっぱ、そう、なのか・・・・・・・・・・?


そう。そう考えれば、今ここで言い難そうにしているのもつじつまが合う。


ズキ。ズキズキズキ。


慎を目の前にしているのに、――いや、目の前にしているからか。激しく胸が痛み出す。


おっ・・落ち着け、あたし、あたし!!こんな所で動揺したら慎が変に思っちまう!


ともすれば、涙腺が緩みそうになる誘惑を押さえて、久美子は。


「あっ・・じゃあ、今日お前ンチに夕飯作りに行ってやるから、そん時でいいか?」


多少ぎこちなくも、いつもの笑顔を浮かべて、自分からそう切り出して。


「ああ・・・・ワリ。じゃ、夜な。」


短く返事を返した心の背中が見えなくなるまで見送ると――


「・・・はぁ・・・・」


ペタリと、その場に座り込んでしまったのだった。


えっと・・・・あいつと、そういう関係になリ始めてから何ヶ月・・あ、まだそんなに
経つわけねえか・・・1ヶ月くらい、か・・


それで、最終通告を言い渡されることになるなんて。


「短かった、な・・」


ポツリとそう呟くと、久美子は再び、溜息をついてしまうのであった・・・。




>>2へ。


続きます・・続きます・・・・><! またも、ちょっとだけ続きます・・!


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