[初恋・行進曲] *6* |
「・・・・お前だよ!バカァっ・・・・・!!」 ・・・・・・・・・・・へっ!? そう、真赤な顔で言われると、久美子の体が緊張でサッと強張ったのがわかった。 え・・・・・今、俺・・・・・・・? チラ・・ 目だけで久美子の顔を確認しようとすれば。 ・・・・・・・・・ぅ・・わ・・マジっ・・? 視線に入ってきたその姿に、久美子に負けじと自分の心臓もドキドキと高鳴り出す。 聞く前までは、別の意味で高鳴っていた、この胸。 嫌な、想像。 嫌な、答え。 それだけが―――――――頭を、占めていた。 から。 だから、姑息にも友人を使って―――何ていうと言葉が悪いかもしれないけど。代行して、久美子の気持ちを確かめようとした。 けど。 結局それも、久美子に打ち破られて。 自分で、最後は聞くのが一番の近道で。 怒りと言う気迫で自分を包んで―――内心の動揺を悟られないように、久美子に問い掛ければ。 ・・・・・・夢・・じゃねぇし。 思いがけなかった答えが、返ってきて――――・・・もう、どうにも嬉しさがこみ上げてきて、止まらない。 ギュ・・・・・・・・ 痛いかな、とは思ったけれど――・・・・もっと、もっと。 夢じゃないと確かめる為に、背中に回した腕を強くして。胸に埋めた顔を、もっとピッタリとくっつかせて。 ドキ、ドキ、ドキ、ドキ・・・・・・ 久美子の胸の鼓動を前進で確かめるように抱きしめると――やっと、安心する。 そして。 パっ・・・ 身を起こして、久美子の顔を見上げれば――――・・・・・ ・・・・・・・なんで。 潤みかかった、その瞳。 ・・俺が、何も、言わないから? フ・・・・・・。 愛しい、その姿が。 誰にも取られたくない、この、心も、体も――――・・・・・・ だから。 自然に、言葉が出た。 「すげ・・・・・・・・嬉しい・・・」 「・・・・・・っ!」 その言葉に、久美子の大きな目がもっと大きく開かれる。 ・・・・・・・バーカ。 愛しさを込めて、そう思いながら――――・・・・ 「ん・・・・・・む・・ぅっ・・」 ペロ、と最初に下唇を舐めて、すくい上げるように唇をその上から重ねていくと―――・・ 「・・・・・・・・っ・・」 想いを、唇に乗せて、熱く、絡ませたのであった・・・・・・。 そして。 たわいもない、愛しいやり取りをする。 ぷぷっ・・・・・・・・ あっちにこっちに、恥かしさからウロウロする久美子の表情を見れば、頬が緩んで。 ・・・・・あー・・・幸せ、かも。 さっきまでの憤りはどこへやら、で。心に、余裕が生まれる。 でも。 いつまでたってもこっちを見ない久美子にちょっとだけむかついたから。 ムニ。 両手で、その柔かい頬を包むと、自分と向き合うようにそっと向かせて。 「・・・目、開けろよ。」 そういうと。 ギュゥっと頑なに瞑っていた、久美子の瞳がそっと開いていく――と。 ドキ・・・・・っ 絡まった視線に、自分の胸がまた早鐘を打ち出していく。 その、瞳の先に溢れる愛しさは全部、自分の物。 誰にも、注がれた事のない、全部――――・・・・・・・・・ ・・・・・渡さない、誰にも。 「これから先も・・・・・全部、俺が初めての男だから。覚悟、しておけよ・・・?」 そう、優しく。 でも、いつも通り意地悪に、瞳をジッと見つめながらそう言うと。 ちょっとだけ驚いた後、フ、と久美子も微笑んで――――・・・ 「・・・!!・・・・・・っうん・・。」 日も落ちかかった教室で、やっと。 二人は、一緒に微笑みあったので、あった。 そして。 他の4人は、というと。 「つーかさぁ・・・・・・・・・」 と、南。 「「「あ?」」」」 ガラ悪く返事をする、他の3人組。 トボトボと、歩道を歩くその姿―――・・・・・ 言わなくても、分かるかもしれないが。 結局、合コンは玉砕で。 帰り道。ゲーセンに寄ったりカラオケしたりで遊んだ帰り道。 ふと目についた公園に、ちょっとだけ、といわんばかりに座り込む。 「・・・結局、俺たちここに来たわけじゃん?」 「「「うんうん。」」」 「で、あの後・・・・・・・」 「「「・・・・・う、うん・・・・・・」」」 パ、と4人それぞれが視線と視線をぶつけ合う。 ・・・言ってはイケナイかもしれない、その、一言を。 「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」 誰が言うか、互いにけん制しあいながら。 そして。 言うぞ、とばかりに意気込んで――― 「あの・・さ・・・」 「「「 っっ!!!!!!!! 」」」 口を開いたのは―――内山。 「う、うっちー・・・なんだよ。」 「そっそっそうだよっ!言いたい事あるなら、言っちまえって!」 「・・・・・・・・!!!」 ちなみにクマは、パンは食べてない―――なんて、どうでもいいのだけれど。 ゴクリ、と内山は唾を飲み込んで。 「お、俺らが出てった後、し――――・・・・・・・・・・・」 「「「 っっ・・・・・・・!!!!!!!!! 」」」 その――禁断の言葉を、言おうと、すると。 「お――――っっいっ!おっまえらー!!!なぁにやってんだそこで!!」 ドキィィィィィっ!!!!!!! 途端、後ろから、声がかかる。 「「「「 ・・・・・・・!!!!! 」」」」 後ろを見なくても分かる、若い女のその声。 聞いた事もあるも何も――――今、その話題に上ろうとしていた―――数時間前まで会っていた、その人物。 ・・・・・や、やばくねぇ? ・・なにがだよっ! ・・・いいから、いいから! ・・・・・・・早く後ろ振り返っとこうぜ・・・! コソコソと、再びアイコンタクトをとって。 バっ・・・・・!!!!!!!!! 思い切り、後ろを振り向くと、そこには見てはいけない――――・・・・!!!! 「ふ、二人のすが・・・・っ・・・・!・・・・あ?」 「・・・・・あれ?いねぇ?」 「な、なーんだぁ・・・・いねぇじゃんっ・・!!」 「・・・・・・・・・!!」 見てはいけない、二人の姿があるかと思ったのに。 いたのは。 「???なにやってんの???」 きょトン、と首を傾げた久美子の姿だけ――――・・・・・ 「お、脅かすなよやんくみっ!!!!!」 「「「そうだよっ!!!!」」」 「ま、まあいないのは当たり前だよなっ!なぁ?」 「「「 お、おう! 」」」 「・・・??」 だと思って、そう言ったのだけれども。 「・・・・・・・・・にやってんのお前ら。」 「「「「 ・・・・!!!!! 」」」」 再び、今度は後ろからかかった声に。 ・・・・・・・俺ら、やばい事に気付きすぎ・・・。 4人の嫌な予感は的中し―――・・・・その後。 ある、カラオケボックスにて。 「「「「 マジ・・・・・!? 」」」」 はっきりと、その関係がわかる事になるのだが。 とりあえず。 今、この場は。 ・・・・あいつら、どうなのよ? ・・あの後、何があったんだよ・・・ ・・・た、助けて・・・静香ちゃん・・! ・・・・・。。。。。。 どう、この場を切り抜けようか―――必死で考える姿が、そこにあるのみなので、あった。 まあ、それは。 「・・・・?こいつら、どうしたんだろうな、し・・・ぁっ。沢田?」 「・・・・・バカ。さぁな・・?」 久美子のドジな発言に優しく突っ込みを入れた―――慎のみだけが。 ・・・・・・バカって。 ・・・・・・・言ったよな、今。 ・・・・・こ、怖いよー!! ・・・・・!! 「・・・アホか、お前ら。」 「「「「 っ・・・・!!! 」」」」 その行方を、知って、いる。 それは――――・・・・・・・・ 「よーし、行こうー!!」 ある、日の話へと繋がるのだが。 それはまた、後日。 *オワリ* |
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[最後の言い訳。] ・・・こ、こんにちは、こんばんは、皆様。。連載サボりすぎのアイコです(汗)。 ええっと・・・(ドキドキ)。なんとか、 無理やりこぎつけて・・・終わらせた訳ですが。こんな最後で、ホントすみませんっ・・・!日記に大きく「やったー!」 と叫んだんですが。こんなもんで、ほんと申し訳ありませっ・・!今回久しく、あんまりラブラブしてなかったような気 が・・するのは私だけ?じゃないはずですね!そうですねー><; ええと、多分それはきっと・・書き始めも、オワリま で、ごくせんのサントラを聞いてたのでですね。ドラマが頭をよぎって、随所にそういう感じを出したいなとか思って ・・書いちゃったのでそうなったのではないかと。いやどこにも出てねぇよ、とか言われればそれまでなんですが! まあそんな感じで・・期待はずれに終わった方も、別にまあまあいいんじゃん、とか思ってくださる心優しい方も、本 当にお付き合いくださりありがとうございました!そしてこの最後の数行ですが・・・その日は。「日常・・」というタイト ルのお話しに繋がる訳でして。まあ・・バレタ、ってだけで繋がったんですが。(唯一バレタって書いたのはその作品 だけですので・・・) 無理やりですが、とりあえず繋がりました。エヘ。 では、再び次の連載に向けて頑張りたいですー><!今度は・・もっとまともな物を・・(汗) それではv 2002/11/27 管理人アイコ 拝。 ・・2ヶ月過ぎる1日前でよかった・・。 |