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【 記 憶 鮮 明 】




「ちーちゃん!どうしたの!!」

「え・・・?」

気がつくと千尋は涙を流していた。

「あ、あれ?なんで私泣いているの???」

ぐいっと手の甲で涙を拭いながら、千尋はくるりと辺りを見回した。ここは、5年前神隠しに遭った場所。

「ねえ・・・」

友人の理香がしかめっ面をして千尋に話し掛ける。

「ちーちゃん、最近おかしいよ・・・?なんか、悩みでもあるんじゃない?」

「悩み・・・?ううん、何もないよ?ただ・・・・」


この場所に来ると、今の自分が自分じゃないような・・・そんな気がする。

千尋は後の言葉を理香には言わず、ジッと辺りを眺めて言葉を過ごす。その様子に、理香もふぅ、とため息をついて、困った顔をする。

「言いたくないならいいけどさ・・・でも、心配かけないでよね!私は、ちーちゃんの一番の友達なんだから!なんでも、言ってもらいたいの!」

「うん、ごめんね・・?」

千尋が小さく謝ると、途端周りの景色がゆがみ出す。




「あれ?ど、どうし・・・・・・・・・・」

「・・・ひろ・・・・」

「え??誰??」

ゆがんだ景色の隙間から、誰か自分を呼ぶ声がする。

「やだっ・・・・恐い!!理香ちゃん!!お・・お父さんお母さん!!!ハ・・・・・!!」

ハ・・・?誰?私は、誰を呼ぼうとしたの??『ハ』がつく名前の友達なんて、私にはいない・・・誰・・?

ゆがんでいた景色が、だんだんとはっきりその輪郭を現し出す。木の造りの天井。自分を取り囲んで除いている複数の人たち・・・

誰・・・??ここは、どこ・・・?ああ・・・・頭が・・・・頭が、痛い・・・!!!

「千尋っ!!」

パチ! 呼ばれた声で、千尋ははっきりと目をさました。

「千尋、大丈夫かっ!?」

誰かが自分の肩を揺すって意識を起こそうとしている。目の前にいる、切れ長の目をしたきれいな人物・・・

「千!お、お前大丈夫かよぉ!!お前また、湯釜からスッ転んで頭打ったんだぜ!覚えてるか!?」

湯釜・・・・?聞きなれない言葉に、千尋はムゥ・・っと眉間にしわを寄せて考えるが、どうも頭の中がハッキリしない。

「あの・・・・」

第一、ここはどこであなた達は一体誰なのだろう。わからないことだらけで、千尋は少し混乱をしていた。

「黙っていなさい。傷に響くよ・・・」

優しく言う、目の前の綺麗な美少年。あなたも一体誰なのですか・・・・。

と、頭の中で思っていたところでしょうがない。千尋は、なんだか言っちゃいけない気がしたが、とりあえず言葉に出してみることにした。

「あの・・・ここはどこですか?それに、さっき言ってた湯釜とか・・・・あなた達は・・・誰なんですか??」

千尋が言ったその言葉に、目の前にいた人物達が固まったのはいうまでもない。







あ〜・・・く、暗くなって行きますこれからぁぁぁ(泣)ごめんなさい!



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