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「ビーデルさんっ!!!!!!!!!」 人目を気にする余裕なんてなかった。 ダンっ!!!! 光にあてられた彼女の体を空中で受け止めた。 「悟、飯く・・・?」 「なにやってるんですかっ!!!!!!!!」 ビクン! 抱えた彼女の体が、大きく震え、た―――― 『――――――今日はジェットフライヤーじゃないみたいだぜ』 校内だから、と普通の人から”走っている”ように見えるよう駆けていると、不意に階段の上から声がかかった。 『ビーデルだろ?』 シャプナーだ。 『なんかアイツ最近変だろ?俺達と話してても急に考え込むしな。』 『・・・・。』 返事は出来なかった。それが自分のせいだとは思いたくも無かったし、これから掴まえに行くのにそんな事を知りたくなかった。 『門を肩落としながら歩いて出るの見たぜ・・おい、悟飯。ちょっと。』 『え』 トン、と階段を飛び降りるようにシャプナーが自分の元へとやってきた。 『泣かすなよ、あいつ。』 耳元で、そう言われた。『大事な仲間だ』そう、釘をさされたような気がして一瞬戸惑う。 『仲間』 その言葉に負けてはいられない。 もしかしたら、今日、『仲間』から自分が外れるのかもしれなくても―――――― 『僕は、彼女を泣かしません。絶対に。』 シャプナーにキッパリと言った。 ひゅう、と口笛を吹きながら『言うな、お前』とシャプナーが言う。 『頑張れよ』 最後に加えられたその一言に、ニコ、と笑いながら教えてくれたビーデルの道筋を辿って走って行った。 そして あ、と。見つけた時には 「きゃ・・・・・・・・!!!!!!」 悲鳴に近いビーデルの声。 ――――――!!!! 「あぶないっ!!!!!!!!!!!!!」 叫んだ瞬間、止めた体が身体が爆発的に動いた。人目を気になんてしていられない。 ザァっ・・!!!!!!!!!!! 通りを越えた向こうの歩道に、ビーデルを抱え込んで滑り落ちる。 とっさに飛ぶ事は止めて、悟飯は落ちる事を選んでいた。 キキーーー!!!! 「気ぃつけろー!!!!!」 乱暴に去っていくバイクを見ながら、助けられた事にほっと胸を撫で下ろした。 ・・・よかった・・・・・・ 心臓が死ぬんじゃないかというほどバクバクしている。 ぎゅ、と腕の中にいるビーデルを確かめるように、悟飯はもう一度抱きしめる、と―――― 「なにやってるんですかっ!!!!!!!!」 悟飯は、心の底から、腹の底からビーデルを叱り付けたのだった。 |