-6- |
|
「・・こ、こら離せっ・・・!」 「ヤダ。」 きゅ、と包み込んだ久美子の頬。 ・・・柔らけ・・・・ 柔かくて、真赤になったその表情が可愛くて、ちゅっと再び唇をよせた。 「わ・・んっ!」 「・・で?なんで、今日は俺の事避けたわけ?」 目線を真っ直ぐ合わせて、優しい声でそう問い掛ける。 「わ、分かってた・・?」 ・・・当たり前じゃん。 「だ、だって・・・・・・」 ・・・・ポス。 もじもじとしながら、両頬を包まれたまま久美子が自分の胸の上に真赤な顔を埋めてくる。 多分、今の顔を見られたくない、って思ってるから。 「だって・・?」 そっと手を外して、上にようやく圧し掛かってきた久美子の背中と髪の毛を優しく撫でていく。 と。 「だ、だってさ・・・」 小さな声が胸の中に響いてきた。 「なんか・・・急に、お前の笑った顔見たらド、ドキドキして・・・胸が一杯になっちゃったんだよ!」 だから・・・今ももう、死にそう・・・・・・・ 突っ伏しながら細い声で呟いた久美子の顔は見えないけれど、耳まで真赤になっているのは髪の隙間から見える耳たぶが証明していた。 ・・・つーか・・。 そんな。 そんな答え聞いたら。 ・・俺の方が。 「も・・・俺、今死にそ・・・・・」 「へっ・・・?」 「・・お前、可愛すぎ・・・」 「・・・えっ・・・・・!わっ・・・!」 久美子の体を押さえながら、そのまま体制を逆転させた。 ほんと、こいつって・・・。 どこまでも、年上らしくないその言動に、いつまで立っても振り回される。 「・・わかってねぇな。」 「え・・?なに・・・??」 「・・そういうこと。聞かされたら男は皆死にそうになるんだよ。」 「・・・へ・・・へ?」 全然分かってない、下になった久美子へとそう告げると。 「あっ・・・!!!」 ぐ、とさっき自分にしていたように、慎は久美子の胸の中へと顔を埋めて、いった。 |
|
NEXT→ |
|